みやけエコネット

ノート三宅村立小学校授業レポート

2006年7月6日・7日の2日間、三宅村立小学校にて、みやけエコネットを活用した特別授業が行われました。

これは、自分たちが暮らす地域の魅力を再発見し、インターネットを使って全世界に発信しよう!という目的のもと、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館と、みやけエコネットのシステム開発・協賛の株式会社NTTデータが協力し、実施されたものです。

授業を受けたのは、三宅村立小学校の6年生19人。1日目は、最初にアカコッコ館チーフレンジャー山本裕さんが、「三宅島の自然を再発見しよう!」というテーマで三宅島の自然の魅力や特長をレクチャーしました。

Image三宅島では、日本で見られる野鳥約550種のうち250種が見られ、伊豆諸島や鹿児島のトカラ列島でしか見られないアカコッコや、本州のそれとは体の大きさや色がだいぶ異なるヤマガラ(オーストンヤマガラ)など珍しい鳥が住んでいることなどが紹介されました。

また、黒潮が育む三宅島の豊かな海では、約600種の魚と約90種のサンゴが観察され、「このサンゴの数はハワイとほぼ同じです」と山本さんが説明すると、男の子の一人が思わず「三宅強い……」。 自分たちが住む島が、世界の中でも類まれな自然の豊かさを誇ることを、子どもたちも改めて実感したようでした。

Image「では、このあと午後は班に分かれて学校の外に出て、みんなが見つけた美しい自然を写真に撮ってきてもらいます」

午後の課題が出たあと、山本さんから野外を歩くときのフィールドマナーと、撮ってきた写真に説明文をつけて世界に発信する方法=「みやけエコネット」が紹介されました。

その後、6年生担任の岡文也先生が希望を取り、1班が民家の多い「草木地区」、2班が海の近くの「海岸線」と呼ばれる地域、3班と5班が全長2kmに及ぶビーチ「大久保浜」、4班が約800年をかけてできた森「薬師堂」に出かけることになりました。

給食を食べたあと一人1台ずつデジカメを持って、いざ、学校の外へ出発!

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わたしが同行したのは「草木地区」に向かったグループ。学校裏の薄暗い林を抜け、細い坂道に沿って民家が点在する道筋を歩きました。最初は何を撮ったらいいのかちょっぴり戸惑い気味だった子どもたちも、岡先生にうながされてシャッターを押すうちにだんだんおもしろくなってきたようで、畑や庭に咲く花や、塀に使われているおもしろい形の石などにどんどんシャッターを切っていきます。Image印象的だったのが、子どもたちの礼儀正しさ。人の家の庭に入っていくときも必ず、「すいませーん、花の写真を撮らせてください」と家の人に断ってから写真を撮影。普段から声を掛け合い、コミュニケーションを大切にする(というか、それが当たり前の)島の人たちの人間関係を、子どもたちの自然な言葉にも垣間見ることができました。

途中から振り出した大雨に、軒下で雨宿りをしながら学校へUターン。長く外にいられなかったのは残念でしたが、みんな、カメラを持って身近な自然を探してみる、という時間を大いに楽しんだようでした。


2日目は、前日に撮影した写真の中から子どもたちが各自1点を選び、その写真にタイトルを付け、説明の文章を書いてみやけエコネットに投稿します。

Image講師を務めたのは、株式会社NTTデータ ビジネスイノベーション本部 課長で、みやけエコネット ワンダーマップのシステム開発を担当した藤村剛さん。まずはプリントアウトした写真をみんなに配り、お気に入りの1点を選んではさみで切り抜いてもらいます。それを大きな白地図に張ってみると……他の班が行った場所にはどんな自然があったのかが一目で分かるようになりました。

「では、いまみんなで共有した情報を、どうすれば世界の人に伝えていけるのでしょうか?」

そこで登場するのがインターネット。そもそもインターネットとはどんな仕組みなのか、インターネットを利用するときはどんなエチケット=ネチケットに気をつければよいのかを、藤村さんが分かりやすく解説してくれました。

Imageそして、記事投稿の下準備として、各自が選んだ写真にタイトルを付け、説明の文章をシートに鉛筆で記入。「人に伝えるため分かりやすい文章を書くんだよ」という藤村さんのアドバイスに、「薬師堂の大きな木は何という木だっけ?」「大久保浜は“島の北の方にある”って書いて大丈夫ですか?」など、みんなにわかに真剣モード。

Imageさて、次はいよいよ、みやけエコネットにログインし、自分が撮った写真と文章をホームページに投稿します。一人1台ずつのノートパソコンに向かい、藤村さんが教えてくれる手順を一つ一つ一緒に進めていきました。分からないところは友達どうし教えあったり、アカコッコ館の山本さんやNTTデータスタッフがサポート。本文入力の段になると、さきほど記入したシートを見ながら、ある子は両手で、ある子は片手でキーボードを叩きながら、真剣にモニターに向かいました。

入力が終わって「記事を公開する」ボタンをクリックすると……「うわ、出た!」

みやけエコネットのトップページに現れた自分たちの記事に、教室のあちこちから興奮&感動の声が上がりました。

Image投稿が終わった子は、友達が投稿した記事を読んだり、入力がまだの子を手伝ったり。中には、「最新の書きこみ」の一番上に自分の記事を載せたいがために、みんなが投稿し終わるまで「記事を公開する」ボタンを押すのを待っていた男の子もいました。

全員が投稿し終わったエコネットには、6年生19人が発見した三宅島の自然についての記事がずらりと並びました。

Image子どもたちに感想を聞いてみると、ある男の子は「文字を打って世界の人に情報を発信できることがおもしろかったです。今度は長太郎池とか自分の家の近くの写真も撮って発信してみたい」、草木地区を歩いた女の子は、「自分の記事がエコネットに出たときはうれしかったです。入力とかは難しかったけど、分かりやすく教えてくれたからできました」とうれしそうに語ってくれました。

1日目の授業を担当したアカコッコ館の山本さんは、「子どもたちがそれぞれこだわりを持って写真を選んでくれたことがよかった。避難中に都会で育った子どもたちが、授業の中で“島は楽しい”と言っていたことに救われました」

Imageまた2日目を担当したNTTデータの藤村さんは、「想像していた以上に子どもたちの視点はおもしろかった。普段過ごしている島も、カメラを持って歩くとまた違ってみえることに彼らも気づいたはず。今後もいろんな情報を発信し、それをきっかけにした外との交流がスタートできればいいなと思います」と授業の手応えを語ってくださいました。

授業から約1週間後、みやけエコネットには三宅村立小学校の全校行事である海浜教室についての記事がいくつも投稿されていました。書いてくれたのはもちろん、授業を受けた6年生たち。「三宅島の自然を全世界に発信しよう!」――子どもたちはその視点と手段を、早くも使いこなし始めたようです。

取材・文:山下聡子(みやけエコネット編集部)

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