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地球の息吹を見せる島~アルピニスト野口健の三宅島体験記~

エベレストをはじめ世界7大陸の最高峰を制し、現在はヒマラヤと富士山の清掃活動に取り組むアルピニスト野口健さん。山だけでなく、実は海も大好きだという野口さんがこの夏、初めて三宅島を訪れました。火山の驚異、よみがえる自然のたくましさ、島を愛する人々の絆の深さ―。心に刻まれた三宅島の旅を、野口さんが熱く綴ります。

文・野口健 プロフィールはこちら

初めての上陸

Image7月12日、曇り時々雨。船が三宅島に着いたのは朝の5時で、波に揺られて来た寝不足の頭がまだあまり働かない。迎えに来てくれた宿「おしどり」のオーナーが、帰島したときの島や家や人々の様子を車の中で軽く話してくれる。補償も十分ではなく、生活を建て直すのにとても苦労したとのこと。三宅島に上陸するのは、今回が初めて。御蔵島へ行った際に船から眺めたことはある。そのときはまだ噴火の影響で立ち入ることが出来なかった。被災後の島の様子は新聞やニュースでしか知ることは出来なかったが、実際に訪れてみると景色の中にとても緑が多いことに驚いた。

Image本日は車で島を一周する予定。宿で朝ご飯を食べた後、アカコッコ館で、チーフレンジャーの山本さんから三宅島の火山災害の歴史や自然の特色などの説明を受けた。まず手始めに、館内にあるバードウォッチングコーナーで館の近くにある水場にやって来た、三宅島でこの鳥を見ない人はモグリだという、アカコッコを早速発見。親子で水をついばんでいた。

2000年の噴火では、溶岩流の影響はほぼなかったようだが、噴火後も出続けたガスの影響で森が枯れ、住処を奪われた野鳥の数は一時半分にまで減ってしまったようだ。だがここ数年、森が生き返り始めたのと同時に野鳥の数も少しずつ増えて来ているようだ。アカコッコ館の近くにある大路池の周りは、幸いにも噴火で受けた被害が小さかったので、木々や植物が豊かに残っており、鳥や三宅島特有の蝶なども何種類か見ることが出来た。この時期にいるのは珍しい、と言われたのは、オシドリのオス。1羽、緑色のきれいな池のほとりで羽を休めていた。山本さんから、おしどり夫婦とあるが、本当のオシドリは毎年新しいメスを見つけるんですよ、と言われ、なんだか妙に納得。

静かな池のほとりに立って野鳥のさえずりを聞いていると、時間が経つのを忘れてしまうほど心が休まった。三宅島は元来森が豊かで四つ足の天敵もいなかったため、様々な種類の鳥が濃い密度で生息しているそう。聞こえてくる驚く程多くの鳥の声は、警戒したりおしゃべりしたり喧嘩したりと声色により違うみたい。そう考えて聞き始めると、鳥の社会もなかなか忙しくて大変そうだ。

体験記写真

大路池にて

野口健さんが島を一周して思うことは・・・つづきはこちら
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